【第6話】白川紺子『後宮の烏』逃れられない定めから、少しだけ楽になる方法。
おはようございます。
こんな時間帯に更新するのは珍しいですね。okapです。
昨晩は、勧められた本を読んでいたら寝入ってしまいました。
小説ではありませんが、読み終えたらこちらもブログに書きますね。
出勤前のわずかな時間でタイムアタックです。
今回は、白川紺子『後宮の烏』
最近、烏がモチーフのお話をよく目にする気がします。
阿部智里の八咫烏シリーズとかね。こちらもまた、折をみて書きましょう。
さて、皆さんは後宮という場所をご存知でしょうか。
帝のお妃候補がたくさん住むところですね。そこで、女人たちはバチバチと火花を散らし、己の生存と権力の増大をかけて闘います。
ただ、今回の主人公は、後宮に住んでいるとはいえ、少し事情が異なります。
後宮の奥深く、〈烏妃〉と呼ばれる妃が住んでいる。
その妃は、妃でありながら夜伽をすることのない、とくべつな妃だった。
書き出しのこの時点で期待MAXですね。
後宮で生きながら、けして帝のお渡りのない妃。ーーのはずだったのだが。
ということで、本来は出会うはずではなかった、烏妃と帝が出会います。
烏妃には特殊な力があり、それを頼りに来たのです。
今までたった一人で生きてきた烏妃(名前を寿雪といいます)ですが、様々な件に首をつっこみ、解決していくうちに、何人かと交流が生まれてしまいます。
烏妃というのは孤独であるべき存在なのに、それでよいのかと悩みつつ、断ち切れない寿雪。
一方で、帝(高峻)は、烏妃という謎につつまれた存在・概念に迫ろうとします。
果たして、二人の、周囲の関係性はどうなっていくのか。
とても描写がうつくしい小説です。
そして、最後に二人がくだした結論に、少しだけ、救われる気持ちがします。
白川紺子という作家にこの本で初めて出会いました。
ほかの著作も読んでみたい。