風早小夜子のブログ

本の紹介とか。漫画の紹介とか。考えてることとか。いろいろ。

【第5話】ダニエル・キイス『アルジャーノンに花束を』人間というものに失望している人へ。

こんにちは。

今朝はなぜか4時間で目が覚めて、そこから熟睡できずに仕事に行きました、Okapです。

おかげ様で、今とても眠いです。

今日はノー残業デーだったので、22:30に退社して、ルンルンで帰宅しました。

(念のため言っておきますが、仕事は昼からです)

初めてコンビニで、レンジでチンするハンバーグを買いました。

絶対自分で作るより美味しい。

 

 

今日の本は、ダニエル・キイスの『アルジャーノンに花束を』です。

読んだのは去年だったかしら。私が持っているのは、小尾芙佐訳のものです。

 

この気持ち、分かりますかね。本好きを自称するあまり、なぜか有名作には手が出せない症状をしばしば発症します。

特に明治時代の文豪。たとえば、泉鏡花は、美しい名前だなと思いますが、読んだことはありません。

 

でもね。本は強制されて読むものではないと思うんです。

読んでみたいと思って、手が伸びたときが読みどき。

いずれ出会う日をワクワクしながら待つとします。

ひたすら本を紹介しているこのブログと、矛盾しているような気がしますね?

私もそう思ったので、「是非手にとってください」などの言葉を封印するとしましょう。

どんなに心が動かされたか、私が声を大にして主張するだけにします。

 

 

話が逸れましたね。

そうやって、なぜか読まずにきた『アルジャーノン』を昨年なにかのきっかけで手に取りました。

 

 

 

ぼくの名まえわチャーリイゴードンでドナーぱん店ではたらいててドナーさんわ一周かんに11どるくれてほしければぱんやけえきもくれる。

 

ビークマン大がくのちてきしょーがいのせえじんせんたー

ぼくわせんたーにわ周に3かい仕ごとがおわてからべんきょおしにいっています。

 

 

 

小説は、チャーリイの「けえかほおこく」で構成されています。

なぜチャーリイは文章を書くのが苦手なのに「けえかほおこく」を書いているかというと、大学の先生が実験で頭をよくしてくれるから。

手術をしたチャーリイは、少しずつ、頭がよくなっていきます。

同じ手術を受けた、ねずみのアルジャーノンと一緒に。

以前は分からなかった会話を聞き取れるようになり、使えなかった機械を自力で扱えるようになり。

加速度的に広がる世界に戸惑うのは、チャーリイばかりではありません。

周囲の人々も、同じぐらい、もしくはそれ以上に混乱していきます。

チャーリイが初めて知る世界、初めて知る感情。

 

 

これ以上のあらすじを書くと、感動を壊してしまうので書けません。

感動?

私はこの本を読んで感動したのでしょうか。

 

 

人の感情には名前があります。

うれしい

かなしい

たのしい

せつない

数え上げれば、キリがありません。

 

この本を最後まで読んで、私は涙が止まりませんでした。

でも、自分が何故、泣いているのか、理由が分かりませんでした。

感情が、溢れて止まらないのに、それがいったい、どんな感情なのか、自分で説明がつかなかったのです。

 

 

ワケが分からないなりに、私は納得しました。

 

これこそが、小説の価値であるのではないか、と。

 

 

もしかしたら、私も成熟すれば、この感情に名前をつけられるのかもしれません。

しかし、今はだた、こうも心を揺さぶってくれた、この小説に感謝します。