風早小夜子のブログ

本の紹介とか。漫画の紹介とか。考えてることとか。いろいろ。

不器用でカッコ悪い自分らも、わるくないなと思いたいときに。津村記久子「これからお祈りにいきます」

こんにちは。

先週は何やら朝から出勤の日が多く、あまり本は読めていません、okapです。

 

唯一読んだのが、津村記久子「これからお祈りにいきます」

なんだろう、とても不思議で、でも地に足のついた物語でした。

 

 

 

 

二篇の物語が収められています。

サイガサマのウィッカーマン

バイアブランカの地層と少女

 

ウィッカーマンとは、ケルトドルイド教が由来だと思われます。

枝で巨人をつくり、その中に生贄を入れて焼くやつです。

ただ、サイガサマの場合は、動物や人間を入れるのではなく、「取られたくない」部分を工作して入れる風習です。

 

このサイガサマの色んな噂話がなんというか、リアルで憎めないんですよね。

・間違えて違うところ持っていった

・人体に二つあるもの(眼球や腎臓)を持ってくのは、複数あるぶんは取っても大丈夫だろうという判断

・最近は精度が上がっている

・「ダメな子だから」と言われる

 

畏れの対象である神様……というよりは、近所の放っておけない子、みたいな扱いをされています。

なんだかかわいい。

終わり方がとても愛おしいなと思います。

愛が溢れている。

 

 

 

バイアブランカの地層と少女は、リアル京都の大学生という感じ。

なんでか分からんけど、今これをしなあかん気がする!

という部分の描写が素敵。

 

 

どちらの話も、自分のことではなく、他の誰かのために、一生懸命祈る。

不器用で、側から見るとちょっとカッコ悪くて、そこがとても愛おしい主人公たちです。

 

人間もわるくないな、と思える本でした。

 

「好きなことを仕事にする」に抱いていた幻想:仕事ってしんどい

こんにちは。

自分は何がしたいんだろうと考える人になっています、okapです。

 

なぜこんなことを考えているのかというと、

・昨日、全社員が集まる会があり、優秀部署の発表を聞いた

・今日、上司とのキャリアに関する面談があった

この二つが原因です。

 

なんでしょう。

落ち込んでるのかな。

 

かたや、同じような年齢で、全方位で素晴らしい業績を残して表彰されるような人もいれば。

かたや、自分は清掃の点数が低すぎて罰ゲームの苦いジュースを飲まされる。

(掃除できないキャラが定着しすぎて爆笑されましたが)

 

このままでいいのかなあ、と思う自分と、

かといって、そこまでバリバリ働こうと思わない自分。

負けず嫌いではあるけれど、てっぺんを目指そうという気にはならない。

 

自分は何がしたくて、この会社に入ったんだっけ。

 

 

 

前の記事ではなんて書いていたか。

okap0605.hateblo.jp

 

楽しい部分、嫌な部分と書いています。

まとめると、

楽しい部分は、人と喋ること。

嫌な部分は、細かい〆切業務と、営業ノルマ達成へのプレッシャー。

 

 

営業ノルマなんて言われずに、楽しく喋るだけの仕事だったらいいのに、なんて。

 

 

でも、楽しい仕事ってあるんだろうか。

しんどくない仕事ってあるんだろうか。

そもそも「しんどい」と「嫌」って、同じようなイメージがあるけど、違うのかな。

 

 

 

調べてみました。

 

 

 

「しんどい」ひどく疲れを感じるさま。つらい。面倒が多いさま。骨が折れるさま。

「嫌」欲しないさま。したくないさま。きらいだ。不愉快なさま。

 

 

 

なるほど。

つまり、「好き」と「しんどい」は両立し得る訳ですね。

これは、納得できるような気がします。

 

現在、私は小説で飯を食えるようになりたいと思って、小説を書いて文学賞に応募したりしています。

小説が好きです。

小説を読むのが大好きです。

小説を書くのは……どうなんでしょう。

小説を読んだり、映画を見たり、美味しいケーキを食べたり、昼寝をする方がもっとずっと好きです。

 

頭の中にある話を、進めたくないと思うときも、向き合いたくないと思うときもあります。

しんどいし逃げたいと思う気持ちもあります。

 

小説が大好きでも、書くという作業にはしんどさが伴うように。

仮に、小説を仕事にできたとしても、しんどいことには変わりないんでしょう。

 

 

 

大好きなことを仕事にしたってしんどいんだから、好きなことを仕事にしたらしんどいのは当たり前。好きじゃないことを仕事にしたなら、もっともっと当たり前。

 

 

ここを勘違いしていたような気がします。

 

キリスト教的価値観に基づくと、そもそも労働って、産みの苦しみと一緒に与えられた罰則ですしね。

 

 

あーーーしんど。

 

 

ここまで1200文字ほど書きましたが、至った結論が「仕事とはしんどいものである」って。

 

そんだけかい!

とベテラン社会人の皆様につっこまれてしまいそうです。

 

 

今日、上司に言われましたが、本当は私、かなり理屈っぽいのかもしれないです。

(全くもってそんなことないと思っていた)

でも確かに、自分が納得できることは受け入れるし、前向きにやろうと思うけど、理解できないことは受け入れ拒否する傾向はあるような。

 

 

 

きっと今はまだ、

 

・仕事ってなんだろう

・働くってなんだろう

・生活するってなんだろう

 

これを自分なりに落とし込めていないんでしょう。

だから行動に迷いが出る。

 

 

 

迷ってるうちは、業績なんてあげられないでしょう。

割り切ってスイスイ進むことができたらよいのですが、納得しないと進めない自分もいる。

 

 

歩みが遅くて、会社や上司には申し訳ない限りですが、一つひとつ、考えていこうと思います。

 

 

 

「少しでも楽しいと思えてるんやったら、今のうちに、しんどい思いしとき」

今日、上司に言われた言葉です。

ここまで文章を書いて、考えて、ようやっと意味が分かったような気がします。

 

 

来週からは、保護者にバンバン電話する。生徒にガンガン話しかける。

授業が始まってからは、パソコンの前に座るのは、電話をかけるときだけ!

 

がんばろう。

次の応募先を決めました。第32回小説すばる新人賞

こんにちは。

昨日今日とお休みだったので、うっかり昨晩徹夜しました、okapです。

明日から仕事なのでもう寝なきゃ……。

 

 

今日は、恵文社一乗寺店に行ってきました!

なんという素敵な空間。

「日本の小さな本屋さん」という本を買いました。

写真を眺めているだけでも素敵……。

自分だけの拘りで本屋さんをつくるのも、楽しそうですね。

 

 

本屋さんに行って、喫茶店に入って買った本を眺めて、帰ってお昼寝して、という幸せな一日でした。

あとは、本題ですが、次の小説を書き始めました。

 

小学生のときに描いてた漫画が原案です。完結させたかどうか覚えてません。家のどこかに保管されているのかどうかも分かりません。頑張って描いた記憶はあるんだけどなあ。

架空の国が舞台です。

構成とかは大雑把にしか決まってませんが、最後の書きたいシーンはあるので、そこまで辿り着ければ勝ちや!

あとでいくらでも修正できるし削れると割り切って、まずはガシガシ書こうと思います。

 

 

長くなりそう&内容が重たくなりそうなので、〆切はかなり先ですが、3/31の小説すばる新人賞に応募するつもりです。

先とはいえ、本業が忙しさマックスの時期を挟むので、〆切感としては丁度いい感じでしょうか。

ワードで書いてる訳じゃないし、印刷もする必要があるので、応募するまでめんどくさそう。

 

思ったより早く書き終わったら、そのとき考えます。

 

 

あたたかい奇跡に触れたい人へ。村山早紀「ルリユール」

こんにちは。

今日は台風に備えて家で籠城してます、okapです。

 コナリミサト「凪のお暇」で出てきた、なんちゃってロイヤルミルクティーをたくさんつくって、本を読みました。

 

凪のお暇 1 (A.L.C. DX)

凪のお暇 1 (A.L.C. DX)

 

 

 

 

 

 

村山早紀「ルリユール」

 

ルリユール (ポプラ文庫ピュアフル)

ルリユール (ポプラ文庫ピュアフル)

 

 

ずっと前に買って、積ん読していた本です。

読書アカウントを作った際にツイッターでお見かけして先にフォローさせていただいておりました。

順番が逆になってしまいましたが、やっとこさ読むことができました。

 

 

読んでいて、何度も何度も泣いてしまいました。

人(たまに人でないもの)が人を大切に思う暖かさに。

あのとき、こうすればよかったという後悔を、大なり小なり、誰しもが抱えながら生きているということに。

 

 

受け止めきれないぐらい悲しいことがあっても、側にいてくれる人がいればきっと幸せだろう。

もし、誰もいないとしても、歌が、本が、思い出が、寄り添ってくれるだろう。

 

 

私が持っている本といえば、文庫本がほとんどですが。

実家にある、たくさんの絵本。

何度も繰り返し読んだ、大切な本たち。

今にも寝そうな声で読み聞かせをしてくれた母親。

風邪をひいて寝ている父親に、絵本の読み聞かせをしてあげた幼い自分。

日に焼けて、色褪せても、満ち足りた幸せの思い出が詰まっているから、その一冊を大切に持とう。

 

そう思える小説でした。

 

 

村山早紀さんもあとがきで書いてらっしゃいましたが、「ルリユールおじさん」もとても素敵な絵本です。

 

ルリユールおじさん (講談社の創作絵本)

ルリユールおじさん (講談社の創作絵本)

 

 

 

実家に帰ったときに、また読もうと思います。

一歩踏み出す支えが必要な方へ。桜井美奈「塀の中の美容室」

こんにちは。

読んだものの、うまく咀嚼できていない小説もあって、更新頻度が鈍りがちなokapです。

ブログもな、どう書いていこうかな。思案中です。

 

 

まずは、桜井美奈さん「塀の中の美容室」。

 

塀の中の美容室 (双葉文庫)

塀の中の美容室 (双葉文庫)

 

 

初めて読む作家さんです。

刑務所の中にある美容室が舞台です。

髪を切る相手は、受刑者ではなく、一般の人。

 

 

刑務所の中に髪を切りに行けるなんて、知らなかったです。未知の世界。

筆者は、笠松刑務所に取材に行ったとあとがきに書いてらっしゃいましたが、和歌山や栃木にもあるみたいです。

 

 

本作は、ゆるく繋がる短編集となっております。

(個人的に、短編集はすべからく繋がっていてほしい派なので嬉しい)

 

 

塀の中の美容室では、美容師さんへの個人的な質問は一切禁止。

そこさえ除けば、何の変哲もない、少し値段が安い美容室です。

 

 

 

でも、思わず考えてしまいそう。

 

この人は、いったいどんな罪で捕まったのだろう。

なぜ、その罪を犯してしまったんだろう。

 

 

 

それを口に出すことはできなくても、そう考えたことは、きっと表情に出るんでしょうね。

ここは刑務所の中だと理解していても、そう思ってしまうんだから、受刑者の方が出所した後は、一体どんな視線に晒されるんだと思うと、身が竦みます。

 

 

 

手紙 (文春文庫)

手紙 (文春文庫)

 

 

 

さよなら、ニルヴァーナ (文春文庫)

さよなら、ニルヴァーナ (文春文庫)

 

 

東野圭吾「手紙」

窪美澄「さよなら、ニルヴァーナ

「手紙」は中学生の頃に読んで、ラストシーンが理解できなかったのを覚えています。

「さよなら、ニルヴァーナ」は、まさにブログ冒頭で述べた、咀嚼できてない小説です。

 

どちらも、一度罪を犯した人間が、その後どう扱われるか、家族がどのような目で見られるか、克明に描かれています。

 

 

それと比べて、対照的なのが、「オーシャンズ8

軽やかに出所するシーンから始まります。

周りの視線なんて、なんのその……というか、そんなこと気にしているんだろうか。そんな気配が一切しないけど。

 

この差は何故でしょう。

国土の広さと人口の違い?笑

 

 

それは置いといて。

 

とても、よかったです(急激になくなる語彙力)。

赦し、赦されて、そしてまた、前を向いて歩き出せる。

そんなお話でした。

 

 

 

今が辛かったらこれを読め!塩田武士「盤上のアルファ」

こんにちは。

ついにスマホをアンドロイドからiPhoneにしました、okapです。

使いこなせるように頑張ります。

 

最近、普段あまり小説を読まない彼氏に井上真偽「その可能性はすでに考えた」を勧めたところ、時々笑いながら黙々と読んでくれています。

いやー、うれしいですね。

私自身も、井上真偽にどハマりしたので、「探偵が早すぎる」も既に購入しております。

楽しみ楽しみ。

 

さて、本日紹介するのは、塩田武士「盤上のアルファ」

デビュー作ですね。

 

盤上のアルファ (講談社文庫)

盤上のアルファ (講談社文庫)

 

 

神戸新報で、事件担当を外され、文化部に左遷されて、意気消沈している秋葉。

将棋担当になったが、ルールも何もわからない。

 

アルバイトで食いつなぎながら、どうしても将棋を諦められない真田。

バイトをクビになったことから、行きつけの呑み屋で喧嘩になった秋葉の家に、転がり込み、背水の陣で再びプロ棋士を目指すことに。

 

将棋のルールが分かっていればもっと楽しめるんだろうなと思います。

 

でも、分からなくても、充分楽しめます。

 

真田の今までの壮絶な人生と、彼の暑苦しさと愛らしさが混じったキャラクター、将棋盤と向き合い続ける精神力、土壇場の勝負強さ。

 

世間からしたら、定職につけず、バイトもクビになり、家賃を払えず追い出される丸坊主のタンクトップは格好よくないでしょう。

しかし、将棋の世界では、彼は輝ける。

自分が唯一輝ける場所を知っているからこそ、諦めずにその場所をもぎ取りに行く。

 

めちゃくちゃカッコええやん、と思います。

 

 

もう一人の主人公・秋葉も素敵です。

将棋担当になりふて腐れていたところ、真田と出会い、将棋を知り、惹かれていく。

不器用で不恰好で、でもお人好し。

 

真田に憧れるとしたら、自己投影ができるのが秋葉でしょうか。

 

ちなみに、ブログタイトルは帯から取らせていただきました。

これも、続編が出てるんですよね。

「盤上に散る」

楽しみです。

 

 

仕事のなかで、楽しい部分と嫌な部分を考えてみた。

こんにちは。

最近、ホットサンドメーカーを買いました。okapです。

すぐ使わんくなるやろという予言もいただきましたが、今のところ順調に使いこなせています。

焼いたパン、美味しい。

 

 

何故か分からないのですが、最近、仕事が楽しくなってきました。

 

もともと、仕事がいやになってきて、あわよくば独立……と思ってブログを始めたんですけどね?

 

そういうわけで、自分なりに考えてみることにしました。

 

 

仕事が楽しいと思う瞬間

①子どもと喋っているとき

②保護者といい感じに喋れているとき

③大学生スタッフと喋っているとき

④子どもの成長が見えたとき

⑤④に自分の仕事がかんでいるとき

 

喋ってるときばっかりやん。

喋って関係性をつくって、いざというときに相談してもらいやすくする、というのが一番大切なので、①〜③の時間を増やすことができれば、自分のメンタルにとっても、仕事上も、良いことづくしですね。

②に関しては、少々気を使いますが、日頃の電話の回数を増やしたり、面談の準備をきっちりすることで、改善されていくでしょう。

単純接触の回数が多いと、人間好感を抱きやすいそうですしね。

 

④⑤については、自分のやっていることが人の役に立ったという自己肯定感に繋がるから、楽しく思えるようです。

そのためには、生徒や大学生スタッフの様子をよく見て、定期的に作戦を練る必要がありますね。

 

 

仕事がいやになる瞬間

①ノルマを達成できないとき

②①により、プレッシャーをかけられるとき

③やること多すぎて仕事が回らなくなっているとき

④睡眠不足のとき

 

①②に関しては、厳しくノルマを言われるのが、年に5回。

その時期を乗り切れば、割と穏やかな日常かもしれません。

今はちょうど、その狭間にいるので、仕事が楽しく思えているのかも(もうじき大変な時期に突入していきます。ひええ)。

 

③は、これに時間を取られて、喋る時間が減るのが嫌ですね。

自分の事務仕事を効率よくできれば、解決しそうです。

 

 

仕事の効率化は、かなりこれを参考にしています。

ここで取り上げられている7つの仕事術のうちの一つが、その日やることを30分単位でスケジュールに書いてしまうというもの。

確かに、肌感覚で、いつもの2倍は仕事が片付きます。

 

④は言わずもがなですね。

ついつい、本・漫画を読んだり、ブログ書いたり、遅くなってしまいますが、寝不足でいくと、一時間に一回休憩を入れな動けなくなるので、たいへん非効率です。

進まない仕事に、自己否定もしてしまいますしね。

 

 

 

まとめ

規則正しい生活をして、いやな仕事を効率よく最短時間で済ます!

そのぶん、人と喋る時間にあて、人と向き合う時間をつくる!

 

未解決事項

ノルマの達成ができれば楽しくなりそうだが、現時点でどうやったら達成できるのか、分からない。

→これは、今から作戦を立てていかなければなりませんね。

 

 

 

なぜかな〜と漠然と考えていたことが、書き出すことで整理されてきました。

未解決事項についても、またの機会に同じように考察してみようと思います。

 

それでは、そろそろ仕事に行く準備を始めます。

今日も一日、がんばっていきましょう。