風早小夜子のブログ

本の紹介とか。漫画の紹介とか。考えてることとか。いろいろ。

あたたかい奇跡に触れたい人へ。村山早紀「ルリユール」

こんにちは。

今日は台風に備えて家で籠城してます、okapです。

 コナリミサト「凪のお暇」で出てきた、なんちゃってロイヤルミルクティーをたくさんつくって、本を読みました。

 

凪のお暇 1 (A.L.C. DX)

凪のお暇 1 (A.L.C. DX)

 

 

 

 

 

 

村山早紀「ルリユール」

 

ルリユール (ポプラ文庫ピュアフル)

ルリユール (ポプラ文庫ピュアフル)

 

 

ずっと前に買って、積ん読していた本です。

読書アカウントを作った際にツイッターでお見かけして先にフォローさせていただいておりました。

順番が逆になってしまいましたが、やっとこさ読むことができました。

 

 

読んでいて、何度も何度も泣いてしまいました。

人(たまに人でないもの)が人を大切に思う暖かさに。

あのとき、こうすればよかったという後悔を、大なり小なり、誰しもが抱えながら生きているということに。

 

 

受け止めきれないぐらい悲しいことがあっても、側にいてくれる人がいればきっと幸せだろう。

もし、誰もいないとしても、歌が、本が、思い出が、寄り添ってくれるだろう。

 

 

私が持っている本といえば、文庫本がほとんどですが。

実家にある、たくさんの絵本。

何度も繰り返し読んだ、大切な本たち。

今にも寝そうな声で読み聞かせをしてくれた母親。

風邪をひいて寝ている父親に、絵本の読み聞かせをしてあげた幼い自分。

日に焼けて、色褪せても、満ち足りた幸せの思い出が詰まっているから、その一冊を大切に持とう。

 

そう思える小説でした。

 

 

村山早紀さんもあとがきで書いてらっしゃいましたが、「ルリユールおじさん」もとても素敵な絵本です。

 

ルリユールおじさん (講談社の創作絵本)

ルリユールおじさん (講談社の創作絵本)

 

 

 

実家に帰ったときに、また読もうと思います。

一歩踏み出す支えが必要な方へ。桜井美奈「塀の中の美容室」

こんにちは。

読んだものの、うまく咀嚼できていない小説もあって、更新頻度が鈍りがちなokapです。

ブログもな、どう書いていこうかな。思案中です。

 

 

まずは、桜井美奈さん「塀の中の美容室」。

 

塀の中の美容室 (双葉文庫)

塀の中の美容室 (双葉文庫)

 

 

初めて読む作家さんです。

刑務所の中にある美容室が舞台です。

髪を切る相手は、受刑者ではなく、一般の人。

 

 

刑務所の中に髪を切りに行けるなんて、知らなかったです。未知の世界。

筆者は、笠松刑務所に取材に行ったとあとがきに書いてらっしゃいましたが、和歌山や栃木にもあるみたいです。

 

 

本作は、ゆるく繋がる短編集となっております。

(個人的に、短編集はすべからく繋がっていてほしい派なので嬉しい)

 

 

塀の中の美容室では、美容師さんへの個人的な質問は一切禁止。

そこさえ除けば、何の変哲もない、少し値段が安い美容室です。

 

 

 

でも、思わず考えてしまいそう。

 

この人は、いったいどんな罪で捕まったのだろう。

なぜ、その罪を犯してしまったんだろう。

 

 

 

それを口に出すことはできなくても、そう考えたことは、きっと表情に出るんでしょうね。

ここは刑務所の中だと理解していても、そう思ってしまうんだから、受刑者の方が出所した後は、一体どんな視線に晒されるんだと思うと、身が竦みます。

 

 

 

手紙 (文春文庫)

手紙 (文春文庫)

 

 

 

さよなら、ニルヴァーナ (文春文庫)

さよなら、ニルヴァーナ (文春文庫)

 

 

東野圭吾「手紙」

窪美澄「さよなら、ニルヴァーナ

「手紙」は中学生の頃に読んで、ラストシーンが理解できなかったのを覚えています。

「さよなら、ニルヴァーナ」は、まさにブログ冒頭で述べた、咀嚼できてない小説です。

 

どちらも、一度罪を犯した人間が、その後どう扱われるか、家族がどのような目で見られるか、克明に描かれています。

 

 

それと比べて、対照的なのが、「オーシャンズ8

軽やかに出所するシーンから始まります。

周りの視線なんて、なんのその……というか、そんなこと気にしているんだろうか。そんな気配が一切しないけど。

 

この差は何故でしょう。

国土の広さと人口の違い?笑

 

 

それは置いといて。

 

とても、よかったです(急激になくなる語彙力)。

赦し、赦されて、そしてまた、前を向いて歩き出せる。

そんなお話でした。

 

 

 

今が辛かったらこれを読め!塩田武士「盤上のアルファ」

こんにちは。

ついにスマホをアンドロイドからiPhoneにしました、okapです。

使いこなせるように頑張ります。

 

最近、普段あまり小説を読まない彼氏に井上真偽「その可能性はすでに考えた」を勧めたところ、時々笑いながら黙々と読んでくれています。

いやー、うれしいですね。

私自身も、井上真偽にどハマりしたので、「探偵が早すぎる」も既に購入しております。

楽しみ楽しみ。

 

さて、本日紹介するのは、塩田武士「盤上のアルファ」

デビュー作ですね。

 

盤上のアルファ (講談社文庫)

盤上のアルファ (講談社文庫)

 

 

神戸新報で、事件担当を外され、文化部に左遷されて、意気消沈している秋葉。

将棋担当になったが、ルールも何もわからない。

 

アルバイトで食いつなぎながら、どうしても将棋を諦められない真田。

バイトをクビになったことから、行きつけの呑み屋で喧嘩になった秋葉の家に、転がり込み、背水の陣で再びプロ棋士を目指すことに。

 

将棋のルールが分かっていればもっと楽しめるんだろうなと思います。

 

でも、分からなくても、充分楽しめます。

 

真田の今までの壮絶な人生と、彼の暑苦しさと愛らしさが混じったキャラクター、将棋盤と向き合い続ける精神力、土壇場の勝負強さ。

 

世間からしたら、定職につけず、バイトもクビになり、家賃を払えず追い出される丸坊主のタンクトップは格好よくないでしょう。

しかし、将棋の世界では、彼は輝ける。

自分が唯一輝ける場所を知っているからこそ、諦めずにその場所をもぎ取りに行く。

 

めちゃくちゃカッコええやん、と思います。

 

 

もう一人の主人公・秋葉も素敵です。

将棋担当になりふて腐れていたところ、真田と出会い、将棋を知り、惹かれていく。

不器用で不恰好で、でもお人好し。

 

真田に憧れるとしたら、自己投影ができるのが秋葉でしょうか。

 

ちなみに、ブログタイトルは帯から取らせていただきました。

これも、続編が出てるんですよね。

「盤上に散る」

楽しみです。

 

 

仕事のなかで、楽しい部分と嫌な部分を考えてみた。

こんにちは。

最近、ホットサンドメーカーを買いました。okapです。

すぐ使わんくなるやろという予言もいただきましたが、今のところ順調に使いこなせています。

焼いたパン、美味しい。

 

 

何故か分からないのですが、最近、仕事が楽しくなってきました。

 

もともと、仕事がいやになってきて、あわよくば独立……と思ってブログを始めたんですけどね?

 

そういうわけで、自分なりに考えてみることにしました。

 

 

仕事が楽しいと思う瞬間

①子どもと喋っているとき

②保護者といい感じに喋れているとき

③大学生スタッフと喋っているとき

④子どもの成長が見えたとき

⑤④に自分の仕事がかんでいるとき

 

喋ってるときばっかりやん。

喋って関係性をつくって、いざというときに相談してもらいやすくする、というのが一番大切なので、①〜③の時間を増やすことができれば、自分のメンタルにとっても、仕事上も、良いことづくしですね。

②に関しては、少々気を使いますが、日頃の電話の回数を増やしたり、面談の準備をきっちりすることで、改善されていくでしょう。

単純接触の回数が多いと、人間好感を抱きやすいそうですしね。

 

④⑤については、自分のやっていることが人の役に立ったという自己肯定感に繋がるから、楽しく思えるようです。

そのためには、生徒や大学生スタッフの様子をよく見て、定期的に作戦を練る必要がありますね。

 

 

仕事がいやになる瞬間

①ノルマを達成できないとき

②①により、プレッシャーをかけられるとき

③やること多すぎて仕事が回らなくなっているとき

④睡眠不足のとき

 

①②に関しては、厳しくノルマを言われるのが、年に5回。

その時期を乗り切れば、割と穏やかな日常かもしれません。

今はちょうど、その狭間にいるので、仕事が楽しく思えているのかも(もうじき大変な時期に突入していきます。ひええ)。

 

③は、これに時間を取られて、喋る時間が減るのが嫌ですね。

自分の事務仕事を効率よくできれば、解決しそうです。

 

 

仕事の効率化は、かなりこれを参考にしています。

ここで取り上げられている7つの仕事術のうちの一つが、その日やることを30分単位でスケジュールに書いてしまうというもの。

確かに、肌感覚で、いつもの2倍は仕事が片付きます。

 

④は言わずもがなですね。

ついつい、本・漫画を読んだり、ブログ書いたり、遅くなってしまいますが、寝不足でいくと、一時間に一回休憩を入れな動けなくなるので、たいへん非効率です。

進まない仕事に、自己否定もしてしまいますしね。

 

 

 

まとめ

規則正しい生活をして、いやな仕事を効率よく最短時間で済ます!

そのぶん、人と喋る時間にあて、人と向き合う時間をつくる!

 

未解決事項

ノルマの達成ができれば楽しくなりそうだが、現時点でどうやったら達成できるのか、分からない。

→これは、今から作戦を立てていかなければなりませんね。

 

 

 

なぜかな〜と漠然と考えていたことが、書き出すことで整理されてきました。

未解決事項についても、またの機会に同じように考察してみようと思います。

 

それでは、そろそろ仕事に行く準備を始めます。

今日も一日、がんばっていきましょう。

 

第18回女による女のためのRー18文学賞、応募完了しました。

こんにちは。okapです。

何日か前に取り敢えず書きましたと言いましたが、何箇所が修正をいれて、先程応募しました。

ネットだけで応募できるの、とても便利ですね。

締め切りまで、まだ一ヶ月以上もありますが、これ以上いじってもな、と思ったので大人しく応募しました。

 

このあとの流れは、

http://www.shinchosha.co.jp/r18/process.html

を参照してみると……

 

第一次選考が突破したか分かるのが、12月下旬。

最終的に、大賞が発表されるのが、来年4月上旬。

結構時間かかるんですね。当たり前か。

 

そろそろ本業が、繁忙期に向けて足を突っ込み始めるので、どこまで書けるかは分かりませんが。

次、どの賞に応募するかも含めて、ボチボチ考えようと思います。

 

ひとまずお疲れ、自分。

 

穂積「僕のジョバンニ」柳本光晴「響〜小説家になる方法〜」才能に打ちのめされた人へ。

こんにちは。

サクサク連投いきますよ、okapです。

 

今回は、穂積さんの「僕のジョバンニ」を紹介します。

とても大好きな漫画家さんです。

「式の前日」「さよならソルシエ」なども好きです。

 

僕のジョバンニ 3 (3) (フラワーコミックスアルファ)

僕のジョバンニ 3 (3) (フラワーコミックスアルファ)

 
僕のジョバンニ(2) (フラワーコミックスα)

僕のジョバンニ(2) (フラワーコミックスα)

 
僕のジョバンニ(1) (フラワーコミックスα)

僕のジョバンニ(1) (フラワーコミックスα)

 

 

「僕のジョバンニ」は、現在コミックで3巻まで出ています。

チェロにまつわる、二人の少年のお話です。

 

 

そして、才能の残酷さを描き出す作品でもあります。

 

 

読んでて、とてもキツイ。

身に覚えのある感情が、たくさん描かれています。

 

 

「俺だって…っ    天才になりたかった!!!」

 

 

私だって、なれるもんなら天才になりたかった。

 

高校生のとき、大学生のとき、自分と同じような年齢でデビューを飾る小説家を見ては嫉妬して、本を読んで打ちのめされ。でもそんな自分を認められなくて、作者の年齢には興味のないふりをした。

友だちと一緒に応募した中高生向けの文学賞で、友人の書いたものの完成度の高さに動揺した。その子は入賞したけど、自分はかすりもしなかった。

 

小説が好きだからこそ、力量の違いがはっきり分かる。

いやになって、ずっと読む側になって生きていこうと思った。

 

それから、受験勉強やらで忙しくなったし、大学生になってからも、部活にゼミに委員会にバイトに、忙しく過ごした。

 

お話を書きたいと思わなくなっていた。

だから、このままでいいと思った。

でも今、また戻ってきている。

 

 

ここまで書いて、これまた最近読んだ「響」も近いなと思ったので、急遽追加します。

ちょうど、今、映画が封切られてますね。映画も観に行きたい。

 

 

恐ろしく感性の豊かで、自分を曲げない響。

変人・奇人を地でいく彼女の小説が、そして、彼女自身が、多くの人を動かしていきます。

 

「僕のジョバンニ」でも、「響」でも、天才に打ちのめされた凡人が登場します。

「僕のジョバンニ」では、自分なりにどう戦っていくのか、これから描かれていくんでしょう。

「響」では、様々な人が登場します。スッパリ小説を諦めて、幸せな人生を送る人。粘っても粘っても、報われずに、そっと文壇から消えてしまう人。もう辞めようと思ってから、もう一年粘って、人生を変えた人。身近にいて、打ちのめされながら、少しずつ自分のステップを登っていく人。

 

さて、自分はどうしようか。

 

突きつけられる現実は厳しいですが、勇気ももらえる漫画です。

窪美澄「水やりはいつも深夜だけど」うまくいかない人生に悩む人へ。

こんにちは。

ブログを書く時間はとれなかったものの、読んだ本がいくつかあるので、立て続けにはなりますが、紹介していきますね。okapです。

 

まず一つ目が、窪美澄「水やりはいつも深夜だけど」です。

デビュー作を収録した「ふがいない僕は空を見た」以来、初めて読みました。

 

 

 

こちら、短編集となっております。

それぞれ独立していながら、少しずつ登場人物が被っています。

 

 

描かれているのは、ものすごく日常です。

かっこいい主人公など、ただの一人も出てきません。

それぞれが、やるせなさを抱え、悩み、もがいています。

お話のなかでも、派手な救いは提示されません。

それでも、ちょっとだけ頑張ってみようかなと思えるお話です。

 

 

ママ友との付き合いが辛い人。

夫婦間で家事について喧嘩してしまう人。

なんとなく夫婦が噛み合わないと思っている人。

親が再婚して、新しい親が増えた人。

先天性の病気が見つかり、大好きなことが出来なくなってしまった人。

 

 

そして、それらは、未来の自分かもしれない。

 

そうなったときには、またこの本を手に取ろうと思います。